白いノート

this and that

妊娠記録#8 : 中国でのパパママ教室

夫の駐在に帯同して始まった北京生活1年目に妊娠が分かり、そのままこちらで出産すると決めた私たち。今回はいわゆる「両親学級」を振り返ってみたいと思います。

 

英語参加で頭フル回転

それまでにオンラインによる民間の「助産師さんによる両親学級」は何度か参加(視聴)していました。たまひよといった出産準備・育児雑誌を手に取る機会もなく、その場で初めて知ることばかりで新鮮でした。

リアルな場での参加は、私が妊娠7ヶ月の頃。検診・出産でお世話になる北京の病院が主催する、外国人向け(英語話者)のものでした。

私の参加目的は、妊娠・出産時のいざという時に必要な、最低限の英単語を知っておくため。知識はそれなりについてきたので、一人で病院に行っても医師たちを理解、意思表示できるようにしたいと考えていました。

さて、参加は週末の午前中。申し込んでみると、1回4時間で2日連続とのことでした。な、長い...!まるで受験生向けの集中講座みたいです。
中国語による教室は毎週何かしら開かれている一方で、英語は日程が限られているため、様々な内容を一度に詰めたのかもしれませんね。となれば、こちらも気合を入れて向かいます。

 

参加してみると、まだ認知が足りなかったのか、私とドイツ系のカップルのみが参加。会議室のような円卓に講師も一緒に座り、距離が近い形で始まりました。

講師の助産師さん2人は、英語がペラペラな中国の方。ユニホームもばっちり決まっていて、ボディランゲージも表情も豊かで、自信に満ちている感じ。「ザ・国際舞台で活躍するアジア人」です。かっこいい。

講座の内容は、「妊娠の仕組み」「妊娠中の女性の体の変化」といった初期のテーマから、「お産の兆候」「お産の流れ」「無痛分娩」「帝王切開」「母乳のあげ方」など、それぞれ医学的な観点も交えて細かい解説や実践がありました。

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スライドを見ながらだったので、知らなかった英単語にたくさん気づけてよかった。中国語なら、漢字でなんとなく想像できたりもしますが、英単語だと専門じゃなければわからない。とにかく、書き留めておきました。

途中休憩も挟みましたが、先程の助産師さんはずっと話し続けています。すごいです。やはり職業柄バイタリティあるんでしょうか。それとも、中国の方は人前で話し続けることに長けているんでしょうか。
呆気に取られながらも、この「英語レクチャーのシャワー」がよかった。突然話を振られることもあったし。終了後はぐったりしましたが、良い刺激になりました。ほのぼのした雰囲気だったら、睡魔との戦いだったかもしれません。

 

初めて見た赤ちゃん誕生の瞬間

今回の両親学級での一番印象に残ったのが、初めて出産シーンを見たことでした。

お産の流れを学ぶ過程で、実際に赤ちゃんが生まれる瞬間を撮った教育ビデオの視聴がありました。舞台はおそらく80,90年代のヨーロッパ(ドイツ?)で、自宅出産、と現実からはややかけ離れていましたが...笑、とても興味深かったです。

母はとても苦しそうで、寄りそう父(夫)は母を抱きしめたり撫でたりしながら、ただ2人でその時を待ちます。生まれる瞬間はただ自然に任せ、父が母の体を支えながら、母は足の間から赤ちゃんを産み落とす.....なかなか神秘的な(といったら美しいですが)、いや動物的な瞬間でした。

今は、医療が発達し衛生的な環境で産むことが多いですし、様々な医療処置があるので、ビデオのようなお産は稀でしょうけれど。感動とは言い難く、なんというか...、これまで見たことのない人様のヒトの誕生を見て、ただ呆然としちゃいました。これが、日本と西洋の性教育の違いなんでしょうか。びっくり......でも、よかった。

 

中国語でも参加

その1ヶ月後、今度は中国語でのクラスにも参加してみました。もちろん、私は中国語が理解できないのですが、英語と同じく必要最低限の言葉(漢字)をなんとなく知っておこうと考えてのことです。

こちらには、中国語だけあって、お腹の大きな中国人ママとパパのカップルがたくさん参加していました。私の先入観もあるかもしれませんが、女性はやはり強そうで、男性を引き連れているように見えます。でも、全体的な雰囲気は仲が良さそう。ラブラブなんだな。

妊娠中の夫婦のイラスト「奥さんをいたわる旦那さん」

 

講座の中で、経膣分娩と帝王切開の違いの説明がありました。それぞれのメリットやリスク.... 勘違いでなければ、ママはどちらの手段とするか、選べるみたいです。
一人っ子政策の名残りなのか、子沢山の生活を望まない考えが浸透しているのか、日本ほど帝王切開に抵抗がないように見受けられました。痛い過程を経るよりは、お腹からサッと産む方を好む人もいるってことなんでしょうか。
私の憶測に過ぎませんが... 中国人の出産に対する考えについて、ちょっと関心が沸いたなぁ。

 

あとは、「男性の存在」について気になりました。「奥さんが陣痛で苦しんでいる時は、こんなことしてあげてね!」というレクチャーが、日本のそれより、更に密というか。男性の体にもたれさるなど、色んなイラストにパパが描かれる頻度がより高いような気がしました。確か。

 

 

このように、英中どちらも参加してみましたが、総じてよかった。文化の違い?も感じられて、面白かったです。

これで私の中で「やってない」不安は無くなったし、心の準備も少しずつできていったのでした。