白いノート

this and that

妊娠記録#2 : どちらの国で出産する?

しばらく空いてしまいましたが、北京滞在中の妊娠生活について振り返り日記です。今回は妊娠判明後の決断、日本と中国どちらで出産するのかという話について。

 

 

6週目で無事胎嚢と心拍を確認すると、次回の12週検診までしばらく空きました。

この間が妊娠初期では大事な期間。約1割ほどの赤ちゃんは、心拍が止まってしまうなど悲しく、仕方のないことが起こります。

何かあればすぐに受診する体勢をとりつつ、私たちはこの間、中国か日本か、どちらの国で出産するか考えました。なぜかというと、12週の検診から出産前までがパッケージ価格で支払うことが可能となり、次回はお産の見通しまで立てて受診する必要があるからです。

つまり、

A: この先日本で産むと決めるなら、次回より検診の度にお支払い。ある程度の週数になったら日本に帰国し、転院。

B: 中国と決めるなら次回12週健診時に、パッケージで一括購入。

という訳です。

 

早いうちに友人に相談した

幸運にも、私には外国での妊娠・出産経験のある友人がいました。周りの人への妊娠報告はかなり早いタイミングだたのですが、信頼できる友人だったので思い切って連絡をとってみました。

 

彼女の場合、外国(非英語圏)で第一子妊娠が判明、お腹が大きいときに日本に一時帰国して出産したというもの。

その理由や、受け入れてくれた産院の様子、家族のサポートや出入国の手続きなど体験談を教えてもらいました。彼女も悩んだり、準備へ努力を重ねたりしたところがあったのでしょうが、結果として誰にとっても良い結果となったそう。

ただ、話を聞いて「果たして私たちも同じ条件で進められるだろうか...?」と。

また、彼女が強調したのは「出産だけではなく、産後のことまでイメージしたほうが良い」ということ。産後、母体はボロボロで、家事は全くできなくなるんですね。新生児は朝夜関係なく泣き、お乳を求めてくるそうで、お手伝いさんやナニーを雇うことも検討した方が良いとアドバイスをもらいました。
出産というと、私は赤ちゃんがオギャーと生まれた瞬間しか想像がついていませんでした。ここで初めて「子がいる新生活」を考えるようになりました。

 

また、別の友人にも聞いてみました。

第二子を英語圏で出産した彼女は、「海外でも不安だけど、中国なら日本は近いし何かあった時に帰れるよ!」と勇気づけてくれました。いずれにせよ不安はつきものだから、よりストレスを感じない方を選んで、とのこと。

 

二人とも、「日本で産むべき」「そのまま中国の方がいい」など一方を推すことはなく、逆に安心しました。「まずはとことん、両パターンを調べてみよう!」との思いに至ったのです。

 

日本の産院に問い合わせ

次にしたのは、中国から転院できる日本の産院を調べたことでした。

 

まずは、実家近くの産院を全てリストアップ。どの病院のホームページも確認し、アクセスや設備内容などをチェックしました。

驚いたのが、今や個人の産院はホテルみたいなんですね。入院中の食事が美味しそうで、産後のニューボーンフォトのサービスなども売りにしているところも珍しくありません。

姫のような自分の姿を想像しながら、一軒ずつ電話で問い合わせをしてみました。

 

ただ......「まずは××週までに受診をしてほしい」「分娩予約は埋まりつつあるので、そのタイミングで来られても受け入れられない可能性がある」などと条件が厳しい回答。中国からの転院の場合は...と言う理由ではないこと、むしろもっと前段階での問題であることに驚きました。

え?日本ってそんなに出産ラッシュなんだっけ?

この早いうちに分娩予約を締め切るのは、珍しくないみたい。産科医不足なんでしょうか。もたもたできないことに、焦りさえ感じました。

 

ちなみに楽天モバイルのアプリ経由で架電したのですが、相手には非通知となるみたい。怪しまれるし、通信状況が悪くなる頻度も高く、若干ストレスでした...。

 

北京の病院にも色々聞いた

また、前回検診を受けた北京の病院でそのまま出産とするか、こちらにも問い合わせをしてみました。検診や出産パッケージの内訳が記載された書面はあらかじ手元にあったのですが、何せ何もわかっていないのでそれが読み解けない。日本の産院と同等なのか、別途費用が発生するならそれは何か....。
日本語で問い合わせが可能だったので、メールや電話で聞きました。若干、しつこかったかもしれません。(笑)

段々と、申し分ないことがわかってきました。病院は多くの外国人が利用する外資系。海外水準の医療レベルで、海外経験が豊富な医師・スタッフもたくさんいらっしゃいます。

 

気になるのは費用と言語面のみ。

言語面といっても病院側は英語対応が可能で、必要なら日本語の通訳さんをお願いすることができます。

費用については、日本での出産と同様、出産育児一時金が出ることがわかりました。(これは私たちの条件の場合です)ただ、それでも病院にお支払いする費用(検診含む)の方がずっと大きいです。それをどう捉えるのか。

ちなみに新生児が入院、NIUCで治療を受けた場合...こちらも高額ですが、これは上限ありで保険適用となることを確認しています。

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迷い疲れ、そして決断

この他、両親に聞いてみたり、日中両国の安心・不安なことを書き出してみたり、お金についての制度を調べたりと、とにかく情報を収集、整理しました。
先入観から、どうしても中国は日本ほど安心できない。でも、こちらの病院のサービスはそれを覆し、信頼できる施設でした。しかも今の居住環境も快適。わざわざ帰国する方が、短い間でいろんな環境を再構築する気もします。しかし、頼れる人や費用面......。
「やっぱり日本だな」「このまま中国で行こう」と、気持ちは日によって変わりました。

そして.... 私は疲れました。本当に疲れました。こんなに悩んだのは久しぶりかもしれません。つわりをいいことに、お昼寝に逃げました。

 

そのうち、出産前後の様子を想像してみました。

そこに夫がいるか、いないか。

大きいお腹で行ってくるねと、一人で飛行機に乗って中国を離れ、しばらくは実家で両親と一緒に過ごして.. わー陣痛だ、生まれるよー、生まれたー・・・!その瞬間にそこに、近くに、夫が、子の父親がい......ないのかぁ.....。ビデオ通話で報告するのかなぁ?そしたら中国に戻って初めて夫に子を抱いてもらうのは、いつなんだろうなぁ...生後3ヶ月くらい?そのうちにコロナが蔓延して出国できなくなったら?そもそも 出生届の提出とか私一人で行くの?行ける??

考えていくと、なんだか寂しくなってきました。

 

うん、やっぱり離れるのはやめよう!このまま北京でやってやろう!何かあったら仕方ないけど、なんとかなるさ!

ようやく、このまま現地の病院で出産すると決めました。

 

正直、日本でも中国でも、予期せぬことは起こるでしょう。考えると怖いです。でもどうせ一緒なら、どうにか中国で頑張ってみます。

 

お産の場所・子の生誕地を自分で決めることができ、また夫も同じく中国でを希望していようで、今後について前向きに考えられるようになりました。