白いノート

this and that

上海旅行その2 白無垢を着ました

上海2日目。

この日は、待ちに待った結婚写真の撮影です。

実は私たち夫婦は、結婚式や前撮り写真を撮ることもないまま、北京で生活を始めました。そして子を授かったので、このまま結婚を象徴するイベントはないままかな...なんて思っていました。

ある時、ここ中国で写真を撮ることをふと思いつきました。中国人は写真が大好きだし、ドラマチックに撮るスタジオも豊富にありそう..! それもいい思い出じゃない!と。

ただ、着たいと思ったのはウェディングドレスではなく、着物の方でした。ネットで北京のスタジオを探してみたのですが.. やはり和装の撮影はヒットしません。着付け師がいないといけないですもんね。では、ドレスで姫様のような写真を...。

お姫様抱っこのイラスト(新郎新婦)

すると、夫氏が「上海にあるみたい。ここに問い合わせてみたら」、とあるスタジオを紹介してくれました。ホームページを見ると、日本人向けのスタジオ。浴衣や子どもの七五三は対応しているみたいだけど、和装婚もできるのかなぁ。
聞いてみると、なんと前撮りプランがあるとのこと!しかも白無垢も。
来月には妊娠後期に入るので、お腹が大きくなりすぎないうちに撮ることにしたのです。そのため、私たちはこの週末に上海に来ることにしました。

 

スタジオは百貨店の上海高島屋にありました。*1開店時間より前から準備を始めるので、朝早くに集合です。

近くのコメダ珈琲でモーニングをいただきました。お馴染み、飲み物1杯につきトーストのサービス。私は小倉あん。名古屋に住んでいたときはよくお世話になっていたなぁ。気持ち良い朝のスタートです。

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いよいよ入店。日本語ペラペラなスタッフさんに迎えてもらい、開店前のため従業員口から入れてもらいました。

まずはメイクアップ!

この日のために、小顔体操を毎日続けて肌の調子も整えてきたつもりだったのですが.... 何と鼻の下にニキビを作ってしまいました。がびーん。数日前からあったのですが、前日にケーキやシロノワールを始め、食べ過ぎちゃったのが消えない原因になっちゃたかしら。

うまく隠してもらって、初めてつけまつげをつけて、女優さんみたいにしてもらいました。

メイクアップアーティストのイラスト(お化粧)

(この日はあまり写真をとっていないので、いらすとやのイメージで)

 

髪型は.... 着物に合うまとめ髪は変わらないのですが、大きく「日本髪」か「洋髪」を決めます。

日本髪はもう、伝統的な結髪です。前髪を上げて、サイドもまとめて頭のてっぺんに髷をつくるスタイル。私の髪の長さは鎖骨ぐらい、セミロングなのですが、かつらではなく地毛でできるとのこと。

洋髪はドレスにもあるややふわっとした自然なまとめ髪。

ずっと迷っていたのですが、「日本髪はこの先、セットする機会がないかもしれませんね」との言葉に押され、思い切って日本髪をお願いしました。

まずはコテで巻いて、ブロッキング。ふくらみを作るために、人工毛も入れましたが、表面は地毛が来るように、櫛で丁寧に形作ってもらいました。ヘアメイクの担当さんは現地の方でしたが、日本髪を学んで技術を身につけ、上海では貴重な存在だそうです。
私が見ていても難しそうでしたが、1時間ほどかけて完成しました。

綺麗なかんざしもつけてもらい、時代劇に出てきそうな姿になりました。(笑)このスタイルは七五三ぶりかなぁ。

 

さて、着付けです。

ここでも悩んできたことを選ぶ必要がありました。白無垢か、色打掛か。

結婚式を挙げたは前撮りで色打掛を選ぶ人が多いのかな?私たちは式の具体的な予定がないので、やはり「白無垢を着るならこれがチャンス!」と思っていました。
ただ、丸顔の私に似合うか...。

すると、着付け師の女性がスタジオに到着。悩んでいることを伝えると「せっかくだから、白無垢にしよっか!」。ここでも、思い切ることにしました。笑

 

着付けは、スタジオの隣へ。ここは着物の着付け教室にもなっているようで、畳が敷いてありました。どうやら、教室の先生をされている先程の女性に、着せてもらうようです。
外国で着物を着たり、習ったりするのも、素敵なことですね。

着物の着付けのイラスト

私は7ヶ月の妊婦のため、帯は胸のあたりで巻いてもらいました。もともと、結婚できる着物は高めなんだとか?お腹が苦しいことはなく、むしろお腹の丸みが強調されて、それはそれで素敵でした。

着付けの部屋にカメラマンさんや袴姿の夫も合流。皆でおしゃべりをしながら、和やかに準備が進みました。

 

いよいよ撮影です!

準備だけで、予定していた2時間がゆうにかかりました。でもプロの仕事を目の前で見られて、興味深かったなぁ〜!

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まずは私からの写真。立ち位置を決め、綿帽子を被って、袖などの調整をして...。私は立ったまま、3人の女性にアレコレしてもらいました。

 

すると......慣れない着物と、照明とで、喉が乾き汗が出てフラ〜〜っとしてきちゃったのです。

普段だったらなんてことないんでしょうけど、これは妊婦だからなんでしょうね。
おトイレを気にして、朝はあまり水分を摂取せず、口にしたのは半トーストだけ、といのもよくなかったのかもしれません。

せっかく袖を伸ばしてもらったり、いい角度でポーズができてきたのですが、一度腰掛けて休憩することに。

スタッフさんにポカリなど飲み物を買ってきていただいたり、うちわで仰いでもらったりとで、大変ありがたかったのと、申し訳ないのとでした。今日まで運動して体力つけてきたのになぁ...。

 

その後何ショットか撮るもの、再度休憩を挟みつつ。しんどい顔で写るわけにもいかず、かなり集中しました。笑

一眼レフカメラを構える女性のイラスト「カメラ女子」
スタッフの皆さんの明るい声に本当に助けられました。こんなに私一人だけで、かなりの時間がかかったんだろうなぁ...。こう思うと、重い着物で歌う演歌歌手は本当にすごいです。時代劇の女優さんたちも。

 

夫婦2ショットも何とか撮れたようです!夫の袴姿も、似合っていてかっこよかったなぁ。

結婚式のイラスト「新郎新婦・神前式」

スタジオでの撮影を終えて、次は屋外へ。高島屋目の前の公園に移動しました。

この日は前日と比べて少し肌寒かったのですが、逆にそれがよかった。室内で暑すぎると感じていたので、屋外では体温調整がうまくいき、みるみる元気になっていきました。

ちょうど紅葉が見頃を迎えていて、秋らしい背景で撮影が進みました。竹をバックなら、もはや日本での撮影のよう。

珍しかったのか、有名人に見えたのか(笑)、散歩中の人々にも写真を撮られる照れくさい体験も。

 

撮影小物を持ってきても良いとのことだったので、最後は中国らしい「福」や「囍」の文字も掲げてみたり。赤ちゃんのエコー写真も持っていったので、3ショットも叶いました。

 

そんなこんなで、和装婚の写真撮影が終了。
洋服に戻ると、体が軽い!でもバキバキだったので、店内のマッサージチェアへ。たった15分のもみほぐしで、寝落ちしちゃいました。

マッサージチェアのイラスト

まとめると、とにかくよかった〜!

上海で白無垢を纏い、人生でおそらく最後の日本髪を結って、ようやく結婚写真が撮れたこと。

言葉や文化の違いで困ったことはなく、プロフェッショナルの技を受け、かつとても温かいアットホームな雰囲気で、気持ちよく撮影できたこと。

私たちらしく、背伸びしすぎない自然体で臨めたこと。

全てを含めて思い出になりました。写真を見るのが楽しみですし、この先もこの撮影体験を思い出すんだろうなぁ。

 

今回は長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

*1:スタジオは12月25日で一時閉店するようです。この先も七五三などで再度利用したいなとまで思ったので、残念です。こうなると、中国本土の日本人向けスタジオは他にあるのかなぁ。