白いノート

this and that

地図のプレゼント

地図は私にとって、身近だった。家には地図がたくさんあった。

かと言って、地図の記号や地名に詳しいわけではないけれど。

紙の地図を手に取るとか、眺めることは、同じ年に生まれた人よりも多いような気がする。

父も地図が好きなので、似てしまったのだろう。

実家に、すでにたくさんの地図があるけれど、父はまだ地図をほしがった。

「新しいものを買ってくれたら、今あるものを全て処分する。だから、プレゼントしてちょうだい」

地元の書店に、地図を探しにいった。2店回って、見やすい縮尺の地図本を購入した。

父は満足したのかな。

あんまり品揃えがなかったことに「皆ネットを使っているからでしょう」と言うと、「そうか..」とつぶやいていた。だからと言って、父がネットで場所を調べるようには、おそらくならないだろう。

別に今あるたくさんの地図ーー古すぎて見る気にはならないものもあるーーを、捨てちゃわなくてもいいよ、と思った。