白いノート

this and that

クリスマスとお正月の手作りごはん

またまた今更ですが、年末年始はクリスマスっぽい、お正月っぽい料理に挑戦してみました。よく考えると人生初めてかも?

来年への反省も込めて、初回を記録しておきます。

 

この前の24日クリスマスイブは日曜日。25日クリスマスは平日の月曜日。

イブは望京のドイツレストランで外食。ドイツらしい?温かいクリスマスの雰囲気の中、肉料理やリンゴのデザートを楽しみました。

翌日はどうしようかなぁと。ずっと前に留学した時に、家族が集ってオーブンで焼いたハムや温野菜やスープなど、たくさんのご馳走がテーブルに載っていたのを思い出します。

クリスマスイブから美味しいものを食べて、夜に教会に行って、ホーリーナイトを体験。翌朝にはみんなでクリスマスプレゼントを開けて、だらだらのんびり過ごし、なんならクッキーなんか焼いちゃったりして。そしてまた夜もご馳走を食べた気がする... いや、イブだけだったのかな?

そんな感じの欧米のクリスマスに憧れるけど、この月曜日は日中に病院に行ったり夫は仕事だったり。

ゆっくりしていられなかったのですが、初のクリスマス料理は鴨のオーブン焼きに挑戦してみました。

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これが鴨肉。半身で500円くらいだったかな?

何かのお肉を手軽にオーブンで焼きたかったこと、我が家は2人だけなので大量には作りたくなく、お金もかけたくなかったこと、にうまく合いました。朝にネットスーパーを覗いていたら見つけた鴨ちゃん。パウチ個包装だったので、衛生面も安心です。(中国のお肉屋さんではそのまま店頭に並べてあるので)

複数のネット情報をヒントに焼いてみました〜!

とにかくお肉に塩をすり込んで、オーブンにポン。適宜焼き加減を見たり、出てきた油を捨てたりお肉に塗ったりすればいいらしい。一緒に野菜もロースト。合計2時間ほどオーブンに入れました。

 

ジャーン!完成!!

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なんとかクリスマスらしさは出せたかな?

味はお塩(とガーリックも入れたかな)が効いて悪くない!火は中までちゃんと通ってた.... けど、気持ちもう少し早く切り上げても良かったかも!ウェルウェルダンでした。

よく考えれば、中国で初めての鴨肉だった。これは北京ダックと言っちゃってもいいのかしら。

 

そして1週間後は大晦日...!

この日はおせちの仕込みをして過ごしました。紅白なます、黒豆、松前漬け。

お豆は黒豆じゃなくて実は花豆。秋に築地市場で買ったもの。

晦日の朝から水につけて、夕方から午後には調理開始してもいいかなぁと思っていたのですが、お豆は丸一日、二日漬けるとより良いみたいですね。そんな早くから準備するとは知らなんだ。

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まめまめ〜!元気に健康に過ごせますように。

 

夜はキムチ鍋。その後、中国時間23時になってから年越しそばをいただきました。午後に市内のイトーヨーカ堂で調達したお蕎麦とかき揚げを。

晦日らしくなって満足。今年もいい年だった。みんな頑張った。お疲れ様でした。

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翌朝、いつもは寝正月だけど、気持ち早めに起床。

お豆を煮始め、その間にだし巻き卵や里芋の白煮を作ってみました。

そして、海老ちゃん!おせちでよく見るエビ、どんな味付けだったかあんまり覚えていないのですが、複数のレシピを参考に醤油などで煮てみました。背わたの処理が難しかった〜。
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腰が曲がるまで長生きするぞ〜!

 

そんな感じで、お正月っぽい品は揃ったのかな。かまぼこや栗きんとん、数の子などは難しいけど、タコや鮑、ローストビーフなら頑張ればできたのかしら。

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あとは、やっぱりお重に詰めてみたい!次回はもっとパワーアップしよう〜!

 

そして、お正月といえばもちろんお雑煮!(もっと上手く盛り付ければ良かった)
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鶏肉が入った、薄めの味のお汁にあぶったお餅。お餅最高。幸せすぎる、ヨーカドーさんありがとう!

いつもの味噌汁茶碗じゃ小さかった、ひとまわり大きいお椀も欲しいなぁ。

 

そんなこんなで、自分なりに季節の料理を楽しんでみたのでした。美味しく見える盛り付けも、もっと頑張ろう。

2023年振り返り

お正月を味わったような、そうでないような感じで1週間とちょっとが過ぎ。今更ですが、2023年を振り返り書き留めておこうと思います。

私は23年1月に中国・北京に来て、同時に夫との結婚(新婚)生活が始まったので、過去と比べれば変化の大きかった年でした。どこに行った、何を食べたの振り返りも楽しいのですが、ここはあえて内面的な変化などを書き出してみます。

気持ち面

仕事をしなくなったことについて

私は22年12月から休職し、中国に渡った形になります。長期間働かないのは入社後初めて。お給料が入らないのはもちろん、平日がらんと空いた自分の時間について、初めの頃は正直戸惑いました。

もちろん、今までの自分を一度捨てて、真っさらな状態で新生活を始めるのは楽しみでした。語学力を身につけたり、今までできなかった趣味にチャレンジしたり、新たな人間関係を構築したりとーー。

ただ、時間がありすぎて何に打ち込めばいいか、始める前から選び迷い日々が過ぎていき。そもそも夫にくっついて来た身分な訳だし、ある程度は控え目にしなくてはと考えちゃって。テニスに挑戦したくても、結局はドコドコの奥さんや、利害関係のある××所属の方に繋がってしまうとやりづかいかな、なんて考え飛び込む勇気が出ませんでした。
国籍に拘らない外国人コミュニティをSNSで探してもみましたが、共通点を見出せず。自分は何をしたいのか、なぜ人と繋がりたいのか、完全に迷子でした。

資格勉強も、その先に目指すことをを描けないで手を出すのも、違うかも...と。

余計なことは考えず、大胆不敵でポジティブだった私(自称)はもういない、変わってしまったんだなぁ.... なんて結構へこみました。

 

あとは、仕事をする=生産活動(賃金やサービス価値)と考えていたので、仕事をしない私の存在価値は一体なんなのか?と。いや、勤めていたときも私は役立っていたのかな?.... なんて思い始めると、ぐるぐるうじうじ...

 

来たばかりなんだから、そう焦らないでよかったんでしょうが、あの時のふわふわ感は初めてだったなぁ。

 

不安定と安定

私は自分の生理サイクルにかなり影響されてきたと思います。体がだるく無気力になり、涙もろく弱くなってしまう時と、エネルギーがみなぎって集中力が増し、何もかもが楽しいと感じられる時の差が大きいかも。ダウン時は些細なことにも気になる。周りの人を不快にしちゃうこともあるから、できるだけ一人でいたい。結婚では、それがいかなくなるんだぁと思い知らされました。笑

心が落ち着かなくなるとき、どうしたらいいのかなぁと、結構本気で考えた。自己肯定感を上げるとか、ありのままを受け止めようとか、身近な人にわかってもらうにはとか、わかってもらおうと望むから苦しくなるのではとか。

そしてブルー期は終わり、ハッピーになってこの問題を忘れちゃう。またブルー期がやってきて辛くなる...。

 

結局これだ!という解決法にはいたっていないけど、できるだけ安定を保つコツはこれかな。

・よく食べる
・よく寝る
・周りの人の様子に意識を向ける(外出先で赤の他人の行動を観察したり、ラジオのお便りコーナーに耳を傾けたり、著名人ならエッセイ・ブログを読んだり)

あとは、街中の花や木々の変化を見るのも癒し。

 

最近はこのホルモンによる?憂鬱な気持ちの波は収まっているので良かったです。

 

親になることについて

妊娠の判明以降、遅かれ早かれ我が子という別の人間との関係がはじまるんだなぁと。不思議であり、緊張するし、ちょびっと楽しみ。いや、やっぱり不安。どう振る舞い、どんな口調で話しかければいいのか、子の性別によって何か意識した方がいいのか、考えちゃいます。

教育についての本を読んでみてもいいんけど、ノウハウ取得や方針を決めたい訳ではないんだよなぁ...。

同時に、自分の幼少期をたくさん思い出すようになった。あの時に泣いて親を困らせたなぁとか、クリスマスプレゼントが欲しくてねだったこととか、切ってもらった髪型がものすごく変で、当時の両親はどういう神経をしていたんだろうとか。感謝し尽くせないことも沢山あるし、子どもながら寂しい思いをしたことも。私はこうしてあげたいとか、したくないとか、想像ばかりしちゃう。

 

ただ、結局はなるようになるよね、としか言いようがない。子の性格も個性もまだわからないんだし。頭で考えるより、自然に身を任せてみるか。

 

 

.... 振り返りブログ、気持ち面だけでこんなつらつら書いちゃいました。

チャレンジ面や中国面も整理しようと思っているので、気が向けば、また別の機会で綴ってみるかも。

頭空っぽ散歩

新年明けましておめでとうございます。

気づいたら2024年。いつも通り、あまり実感がわかないですね。

 

23年の締めくくりは、ラジオをかけながら掃除をしたり、1年の振り返りをしたり.... クリスマス以降は追い込みすぎず、やるべきことを一つずつやってきたので気持ちとしては年末感を大いに感じることができました。ありがとう2023年。

 

打って変わって、新年はお正月感のない中国。元旦は祝日も、2日からは通常営業です。

そして、日本ではショックなニュースが相次ぎ.....。 一番ゆっくりできる日に、地震や事故に巻き込まれた人々の安否や生活はもちろん、休日返上で対応される職務の方々や、出来事を案じる人々の姿を想像します。私もテレビをつけて、嫌なドキドキが止まりませんでした。今も胸が痛みます。
こんなとき、まずは自分の心を落ち着かせ、好きな世界に没頭できる力、拠り所があるといいなぁ。ピアノとか、歌とか。
一人ひとりに穏やかな日常が戻ることを、願ってやみません。

 

最近の北京は5℃を上回る日も出てきて、晴れも多い。日中はポカポカ、日差しが柔らかいです。

これはチャンスと、年末から少しずつ近所を散歩しています。3日はなんとなく、好きな方向へひたすら歩いてみました。

日本、東京では移動時いつもイヤホンをつけちゃうけど、外国ではそんな気にならないですね。

周りを観察したり、ぼーっと考え事をしたりと、リラックスできる時間であり、頭が冴えます。いや、空っぽか。日常の何かも忘れて、考えてない。

 

12月中旬に降り積もった雪は、まだ解けずに残ったままです。カサカサ乾燥した芝生や裸の木ばかりの景色よりずっといい。

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街中を通る川は、陽の光が反射してキラキラ。私は毎年、お正月に川沿いを歩くので、なんかほっとしました。

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別の場所ではカッチコチ。凍っちゃってます。
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まだ見たことがないけれど、湖が凍るとその上でスケートやソリ滑りをするのも北京の光景みたいですね。そこまで冷えちゃう場所なんだ。
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のほほん歩いてあっという間に1時間半。午後になるに連れ、ちょっとずつ肌寒くなるのを感じます。本当に冬は日が短い。

 

今年も色々あるだろうけど、日々の穏やかさに感謝し、周囲に飲み込まれることなく、自分の心地よいと思えるペースで過ごして行けたらいいなぁ。

 

今年もよろしくお願いします。

 

妊娠記録#5 : 異国で情報収集

中国での妊娠生活は、もちろん日本で送るのと異なります。色々ある中でも、情報収集に積極的になりました。

元より私はそこまでSNSを活用せず、世の中の関心事に敏感な方ではありませんが.. この間に活用した情報源を記しておこうと思います。

 

自治体に問い合わせ

妊娠が分かった時点で、ざっくりとした費用面や日本ではどのような制度があるのか何もわかっていませんでした。まず最初に行ったことが、実家のある自治体のウェブサイトの閲覧です。
日本はこれだけ「少子化対策」「子育て支援」を叫んでいるのに、今まで本当に関心を持って来なかったんだなぁと思い知らされました。そんなものなのかなぁ。

さて、日本では妊娠初期の段階で妊娠届を役場に提出します。その際に母子手帳を受け取ったり、助成金手続きや自治体の取り組みなどを説明をしてもらえるでしょうから、母親が検診と役場さえ行けば、なんとか流れに乗れそうですよね。子育て支援の施設や相談窓口の存在を知っておくだけでも、心強い。

中国というと、そういえば妊娠に関する「証明書」のようなものはない気がする。医師に診断はしてもらったけど、国は把握しているものなのかな。その後の妊婦検診・お産の流れだって、病院側からしか聞いてない。その後のローカル中国人はどうしているんだろう。まだ一人っ子政策の名残もあるだろうし、子一人の誕生・育児を大切にする気がするけれど。

 

脱線しましたが、私は「中国に住んでいる私が日本に一時帰国して出産した場合、どんなメリットを受け取れるのか?」が分からず、自治体窓口に電話して聞いてみました。

結果、「まずは住民票が自治体にあること」が前提でした。一時帰国後、私自身が住民票を届け出ないと、あらゆる制度・サービスは利用できないようです。当たり前のことなんでしょうけど。そして子の出生届なども国内で手続きをしないと、応援給付金を受け取れないとのこと。

一時帰国の数ヶ月だけ「住民」になって享受するのは、なんだか申し訳ないし、手続き回りもちょびっと面倒だな〜なんて思ったのでした。

ただ、日本は出産費用が50万円の一時金でトントンになるのと、妊婦検診のチケットが出るため、なんだかんだで費用が抑えられるのは、外国人として中国で産む身としては羨ましかったです。

 

たまひよたまひよアプリ

最初の頃は、今後体にどんな変化があるのか、どのようなことに気をつけたら良いのかもわかりませんでした。、やはりネット検索ですが、よく参考にしたのがベネッセ社の『たまひよ』のサイトでした。

最初はPCで閲覧していたのですが、スマホにアプリを入れてみるとこれが便利。週数に合わせて胎児の成長過程や母体の変化を教えてくれます。知れるだけで安心しますし、うまく表現できませんが、お世話ゲームみたいで面白い。

また、同月生まれ予定のプレママさんが投稿できるチャットルームもありました。「みんなも不安なんだな〜」「こんなグッズや食べ物が役立つんだな」なんて、閉じられたSNSの中で皆の様子と知恵を知ることができて助かりました。

 

安定期に入った10月には日本に一時帰国ができたので、雑誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』も全冊購入。トラブル時の対応や便利グッズなど、様々な情報が集約されているので重宝しています。

 

オンライン講座

たまひよではないのですが、別の妊娠アプリで知ったオンライン講座も何度か視聴しました。

Zoom上で赤ちゃんのお世話や出産の流れなど、助産師さんが解説してくれるというものです。いわゆる「両親学級」のオンライン版で、自治体主催などのイベントには参加できない環境下、とてもありがたかったです。

 

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ちなみに別のアプリというのが、パパ向けの妊娠アプリ。パートナーの妊娠や赤ちゃんの様子について、たまひよアプリのように毎日わかるというもので、私の夫も入れていました。アプリなら男性も使いやすいですし、妊娠過程の喜びや苦労も共有できるので、良いサービスができたなぁと感じます。

 

YouTube体験記

一人でお昼ご飯を食べなるとき、ぼんやりYouTubeを見るようになりました。Vlog系からグッズ紹介まで、いろんな人のライフスタイルが参考になりました。動画はやはりわかりやすいですね。

もちろん中国で生活する以上、まずはYouTubeを見る環境下を作り出さないといけませんが..。

 

現地病院主催のパパママ教室

冬になってからは、病院が主催する両親学級に参加しました。もちろん、日本語ではありません。私は英語と中国人向け中国語との、2パターンに出席。お産について理解するためというよりは、必要最低限の単語を知り、覚えておくためです。

参加して印象に残ったことは

  • 英語開催は、イラスト・写真がリアル!生物学の授業みたい。
  • 中国語開催は、ママが産気づいた時、パパのサポートが超大前提!(英語もだけど)

という点。お国が変われば、やっぱりお産に関する考えも違うんだろうな。詳細はまだ別建てで紹介できれば良いと思っています...!

 

その他、夫が妊娠出産に関する中国語の本を入手したり、日本の書籍が並ぶ図書室を利用したり、北京在住のママさん・妊婦さんコミュニティに巡り合ったりと、今も少しずつ情報経路が増えていっています。

 

 

色々挙げましたが、まとめると

外国にいても、能動的に動けば情報は集められる!

ネットのおかげで、どうにか必要情報にたどり着ける!

でしょうか。つまりNo border! 当たり前すぎるか..。

 

私の母親の時代なんかだったら、違っただろうな。日本人の知り合いがいなかったら、不安になるかも。まぁ、周りの中国の人々にサポートしてもらうのも、それはそれで面白そう。

妊娠や育児の知識を得ることは、異文化を知ることと同じくらい興味深い体験だなぁと感じています。

中国人の妊婦やママさんと知り合えたら、中国のリアル事情も聞いてみたいところです。

『パッキパキ北京』カジュアル感想文

小説家・綿矢りささんの新刊『パッキパキ北京』を読んでみました。書店で並んでいるのかな?

 

元ホステスの女性が、2022年秋から北京で生活をするという話。彼女の夫は3年前より現地に駐在しており、一番大変だったコロナの時期も経験。2人(とワンちゃん)での生活が始まり、ここ最近の北京の様子がリアルに描かれています。

www.bungei.shueisha.co.jp

 

おもしろかった〜、2回読んじゃった。

 

読了1回目で面白かったと思った理由。

それは描写が、身近すぎるから。作者綿矢さんの特徴なのか、本作で意識したのか、固有名詞がふんだんに出てくる。地名、お店やサービスの名前、人名、あとはローカルグルメの名前などなど...。「ああ、あそこの話だ」「ここ行ってみたい」なんて、地元情報として楽しめました。中国語のルビもふってあって、「へ〜、こんな読み方だったんだ」なんて、改めて中国語読みも学べちゃったり。

主人公が新天地でいろんなことを経験していくので、まるで実在する人のブログを読んでいるような気分にもなったでしょうか。

しかも真冬という季節がドンピシャ。私が読んでいた現実世界の時間と、作中でのタイムラインが重なる部分があって、不思議な感覚に。私は今年1月末に北京に来ているため、(リアルの)夫が苦労した厳しいコロナ政策や、その後方向転換後の感染爆発を知らないですが、ほぼ1年が巡った今、作中では22年の歳末や23年の年明けが描かれていて、なんだか中国の過渡期を追体験しているような気になりました。

 

また、私がぼんやりと見てきた中国の景色を、写真や映像に頼らず文章にするとこうなるのか〜なんても。言語化してくれてありがとう、という感じです。(偉そうかな)

作者は実際に北京で生活をしていたそう。たくさん取材をして、見て聞いて感じて、書き残していたんだろうな。アクティブさに脱帽。すごいです。

 

まもなく1年過ごしてきた私は、なんだか悔しくて、私も主人公や作者みたいにもっとリアルな北京を満喫したくなって。ビジネスマンがお昼に集まる食堂で、油泼面(ヨウポーミエン)を注文してみました。美味しそうと思えなくて、今まで避けていたけど... ハッ、これは新しい世界!

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しばらく口の中がニンニク風味になってしまったけど、病みつきになりそうな一品。他の料理にも挑戦してみたい!

 

 

2回目で感じたこと。

ようやく、小説としての面白み... 味わい?に辿り着きました。

主人公の性格、信条、数ヶ月の北京で体験したことによる決断とマインドチェンジ。なんとなく主人公=作者の目線だと思っていたけど、ここにちゃんと架空の、しっかり息の吹き込まれた1人の女性がいるんだ、と気づきました。北京という舞台だから成り立った、彼女や周り登場人物の気持ち。なるほど、これは人のブログでも紀行文でもなく、小説です。
決して主人公には共感できないし、実在したら好きになれないかもしれない。でも怖いもの知らずのポジティブ思考は羨ましい。駐在男性はどう感じるんだろう。

 

日本にいる私の家族や、北京で知り合った人たちに「ぜひ読んで!追体験できるよ!」と勧めたかったけど... 物語の側面を見れば、人の感じ方それぞれだろうし、反応が怖くてやっぱり紹介できないかなぁ(笑)。

 

 

話は変わるけど、綿矢りささんの芥川賞受賞作『蹴りたい背中』、どういう内容だったか....。当時、私の父が同年受賞の『蛇にピアス』(金原ひとみ作)と一緒に買い与えてくれたけど、読んでみると蛇の方はアダルトな物語で当時の私には刺激が強すぎ、綿矢さんの方を忘れちゃっていました。
同年代、当時最年少受賞だったお二人は今も仲が良いんじゃないかとか、勝手に想像しちゃう、記憶に残る作家さん。

 

これを機に、他の作品もたくさん読んでみたいなぁ。

ハッピークリスマス

中国で初めてのクリスマスは、ショッピングモールやホテルといった人の集まる場所、上海のディズニーランドなど色んなスポットで飾り付けを見ました。イルミネーションやツリー、キラキラしたオーナメントとか。

こちらにも、風物詩としてクリスマスの季節はあるんだなぁと。あんまり関心がないのかな?と思っていたので、少し安心したような。
ということで、今季もささやかに楽しく過ごしました。

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何年か前、音楽好きな人と「この世で一番の歌はなんだろう」との話になったとき、「ジョン・レノンのハッピークリスマス」と相手から上がったことがあったなぁ。
当時は夏で、世界数ある中から1番を決めることは無意味な気もしたけれど、冬にその歌を耳にすると、あながちそうかもしれないと感じるようになりました。

以後、よく聴き込むと目が潤んじゃうから、冷静に聞き流している自分もいたり。

 

「Happy Xmas (War Is Over) / ハッピー・クリスマス (戦争は終った)」

 

オノヨーコやベトナム戦争の背景を知らなくても、100歩譲って平和のメッセージに気づかなくても、シンプルで温かい詩・曲だなぁと。

単にクリスマスだけでなく、その先新年まで見ているのもいいなぁ。

 

私は11月からずっとクリスマスモードで、じわじわと楽しみに過ごしてきたけれど、本番(今日)を迎えるといよいよ1年締めくくりという、切ないような焦るような、開き直るような不思議な気持ちになりますよ。

妊娠記録#4 : ヒトの形にびっくり!

1年目の北京生活中に妊娠が分かり、このまま中国で出産しよう!と決めた夏。

8月中旬には、前回の検診(胎嚢・心拍確認)より約5週間ぶりとなる、12週検診に行きました。その時のお話です。

 

 

豆からヒトへ進化、そして爆笑

 

病院に着いてまず行ったのは尿検査。そしてエコーです。

ワンピースを着ていきましたが、今回からお腹を出す検査方法に。同伴した夫の横でスカートの裾を胸元までめくる形になりました。

けど、恥ずかしいのも束の間。検査技師さんにエコーを当ててもらうと、早速ヒトの形が見えました。前回の6週目はお豆みたいな白黒の影だったのに、今回は立派なヒトです。頭があって、手、胴体と足がある。横を向いた全体像が見えます。

その時、ビクッ!!!!

体を折り畳むように、一瞬動いたのです。この時点で、こんなにもダイナミックに動くとは知らず、不意を突かれて驚いたのと、緊張が解けたのと、動きがなんだか面白かったので、そのまま夫と大爆笑してしまいました。

そのままエコー画面が上下にガタガタ揺れて、それもまた面白くて。技師さんももらい笑いをして、3人の笑いが鎮まるまでしばらくかかりました。(笑)

検査を再開すると、鼻のラインがくっきり。目や指、足と一つひとつを見ていきました。心臓はチカチカと点滅しており、心拍の音もドコンドコンと力強く聞こえて感動...!時折まだピクピクと動いていて、まだ私はそれが面白いのか、感激しているのか、気を緩めるとまた笑いそうだったので、息を止めてお腹が動かないようこらえるのに必死でした。

胎児のイラスト

通訳さんはすごい

 

心身の状態を確認する「ストレスチェック」や身長体重、血圧測定の後は医師の診察に。前回と同じ中国人の先生です。

私の夫は問題なく中国語ができるので、前診察の際では全て夫に訳してもらっていました。ただ、今回は日本人の通訳の方にも同席。実はこちらの病院では、日本語の通訳さんを追加費用なしでお願いすることができます。「いつかお世話になることがあるかもしれない」と、依頼してみたのです。

この時点までに私はつわりを経験していましたので、その時の症状や気になることを日本語で伝えました。すると横にいた通訳さんが流暢な中国語に訳し、また医師の回答を日本語に訳してくれる...といった具合です。私のふにゃふにゃした日本語でも、意味を汲み取って(もしくは私に聞き直して)ハキハキと中国語にしてくれるので、すごい!思えば、通訳をお願いするのは(夫以外で)初めての体験だったかもしれません。

ちなみに、エコーの様子から赤ちゃんの成長は順調な様子。心拍が止まるなどの異常が見られやすい期間を経ていましたので、胸を撫で下ろしました。

 

当たり前のように受けた出生前診断

 

中国では一人っ子政策の名残か、出生前診断(NIPT)を受けるのが当たり前だそう。これは母親の血液から胎児の染色体異常を調べるスクリーニング検査です。私たちの検診にも項目として最初から入っていました。医師より「100%わかるものではない」説明を受け、同意書にサインをしました。

このNIPT検査、日本では任意の検査になるみたいですね。通う産院では実施していないことも多く、費用も数万円から十数万円までかかることもあるようです。染色体異常は年齢が上がるにつれ、リスクは高まるとのこと。

受けないと出産まで不安だし、受けたら受けたで「陽性」の結果をどう受け止めればいいのか、悩みそうです。しかも採血は「安定期」よりも前の妊娠初期にすべきとのこと。日本にいたら「受けるか受けないか」「もし陽性だったらどうするのか」を早い段階で夫婦で話し合い、決めないといけないんだなぁと、考えさせられました。

受けることが前提になっている私たちは「わざわざ断る」ことはせず、そのまま受けることとしました。染色体異常がどういうものか、異常を持った子を産む・育てることがどういうことか、この検診前から後の結果まで、私はふとした瞬間によく考えるようになりました。
正解も不正解もないのだろうけれど。

NIPTを含む採血検査の後、心電図を受けてこの日は終わり。

 

この日の最後、これから先の全検査と出産の費用をお支払いしました。後に出産育児一時金が戻ってくるものの、全て保険が効かない実費なので相当の額でした。これも中国で家族一緒に、安心安全な病院で産むためと思えば仕方ないですね。コロナによる移動・出入国制限もなくなり、選択肢があるだけで恵まれていると考えています。

 

一人で臨んだ再検査!院内で国際体験

 

この検査の3日後、私は一人で病院に行きました。尿意検査の改めて受けるためです。

実は12週検査時に、私は緊張していたのか...おしっこがちょろっとしか出ませんでした。異常値が現れ、再検査をする羽目になってしまいました。

 

8月にも同じ内容を記しているのですが(↓)、簡単に記しておこうと思います。

erie.hatenadiary.jp

 

これまで、検診関係は中国語の堪能な夫に同伴してもらっていため、言語面含めおんぶに抱っこでした。この日は自宅からタクシーに乗って病院に向かうまで、病院でスタッフさんとのやりとりなど、全て一人でやってみました。

とはいっても、タクシーはアプリを使って間違いなく乗車できればOK。運転手と言葉を交わさずに目的地に行くことができました。

病院も外資系、外国人もよく使う国際的な医療施設。私が中国語ができないことがわかると、受付のスタッフさんからナースまで、すぐに英語で対応してくれました。お互い外国語だけど、意思疎通ができる安心感はすごい。そして、テキパキ動くみなさんが、バイリンガル以上なことが、とても格好良く頼もしく見えました。

改めての尿検査もカップをもらって提出するだけなので、難しくはありません。

血液検査で鉄不足がわかっていたので、処方された薬も受け取ることになりました。薬剤師さんもペラペラだったなぁ。

 

この体験を経て「私も一人で行動、意思を伝えられるように言語を学んでおこう!」と思ったのでした。