白いノート

this and that

クルクル回る円盤

夜、一駅先のバーに寄ってみた。レコードが聞けるお店で、久しぶり。

カウンター中央にいつも大きな枝?で季節の花や葉が飾ってある。奥にはいろんな形をしたウイスキーの瓶とカクテルグラス。そしてたくさんのレコードの背表紙。柔らかい微笑みで迎えてくれるマスター。

東京では夜、一人でご飯やお酒には行かないけれど、ここは思い出した時によく来る。

季節のおやつ

東京1年目、夏のボーナスで買ったのがDENONのレコードプレーヤー。もちろん、アンプとスピーカーと、なんならCDプレーヤーも。名古屋のおでん屋さんでレコードがくるくる回っているのを見て、聞いたことのある洋楽が全然違く聞こえて、欲しくなったのだ。だがプレーヤーと数枚のレコードを買ったはいいけど、その後どうお気に入りに出会えるか、コツがわからない。レコードが聞けるお酒のお店ということで、足を運ぶようになったのだった。

目の前でプレーヤーを見るのがいい。見なくても、視界に入るだけでよい。円盤を置く台みたいのに高さがあるから、なんだか回ってる円盤がチョコレートをかけられているハットトルテに見えるというかね。明らかに年代もので高級そう、うっとりしちゃう。

そして丁寧そうにレコードを扱うマスター。針を落とす前に、表面をよく見て必要なら拭いて、そっと置いて。その仕草が宝石を扱うような、お茶を立てるような、職人の仕草なのだ。レコードの片面はおそらく20分くらいの長さなんじゃないかと思うけど、お酒飲んだり、マスターとよもやま話をしながら聞いていると、あっという間に時間が過ぎていく。

お店には音楽、文化系の本もたくさんあって、タイトルを眺めているだけでも楽しい。今日はたまたまドラマー村上”ポンタ”秀一さんのエッセイを手に取った。(途中まで小畑ポンプさんだと思っていた)「ドラムはリズムの楽器ではない」「ドラムで色を付け景色を描く」みたいな一文があって、アーティストの感覚はすごいなぁなんて、ほろ酔いの中思ったのだった。